手指伸展アシスト装具

脳卒中重度麻痺の患者さんは手を屈曲すること(※握りこむこと)はできますが,伸展すること(※開くこと)が困難になるケースが多いため,重度麻痺患者さんを対象に手指伸展を支援可能な新型装具を研究室で開発しています.開発装具は柔軟性の高い形状記憶合金(Shape Memory Alloy,以下SMAと略します)のワイヤを用いていることに特長があります.

装着の様子(2016年の仕様)

物を掴む際,装着者の手指に適切なアシスト力をかけることが可能です.SMAのバネ力を利用しているため,電力は不要で,取り回しが楽なことが特長です.

なお,人の指の長さは千差万別であるため,下図のように10段階の長さを用意しています.患者さんの症状度合いも多様なため,SMAの太さを変えることで,アシスト力を変化させるようにしています.

様々な指長さやアシスト力の需要に対応(2018年の仕様)

↓親指用の装具も開発しています.

※関連論文

・原口真,酒井涼,柳セン,土倉伊一郎,原田竜騎,金森雅幸,石田圭二,「手指伸展を支援可能なリハビリ用装具の開発」,第18回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2017).

※開発の歴史

・2016年度に環状形状記憶合金を用いた手指装具を製作.

 原口真研究室|大阪工業大学 移動支援システム研究室